☆ 二輪車整備にステンレスボルト 可?否? ☆ |
今年の遠州地方は雨が少ないせいか?激しくバタバタの日々を過ごさせていただいております、店長です!( '∇^*)
蒸し暑い日々が続いておりますが、みなさま体調など崩していませんか?
七月は過去の経験上最も怪我の多い月になります。私達スタッフも疲労と怪我には注意して参りますので皆様もご注意ください(人'∀'o)ネッ
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☆整備・メンテナンス 過去記事はこちらから☆
中部陸運局認証工場 静第7784号
久しぶりに専門的記事です♪♪♪ v(*'-^*)b
賛否あるかと思いますので、頭をニュートラルにしてお読みください(人'∀'o)ネッ
ステンレスボルトを二輪車(アルミ部位)に使うのはダメ? 個人的には ”きちんと理解して使う” には問題は無いと思っています。
同時に ”なにも考えずに使う” 事は危ないよって事!(。´・ω-)bネッ
!アルミの面積が大きくステンレスの面積が僅かである。
!ステンレス鋼種をきちんと理解し適したものを使用する。
!強度的に使用可能な部位である。(大きなストレスが掛かる部位や重要部位は避ける)
!熱膨張率の違いをきちんと認識し、焼き付き防止措置をとる。(折れたら後処理が容易ではない)
・・・定期的なメンテナンスを行う事は言うまでもありません(笑)
異種金属接触腐食
異なる金属同士が接触し水などの電解質に浸されると、電位の低位にある金属が高位にある金属を侵食する。これを電食(異種金属接触腐食)といいます。
自然電位列 金属
電位高
↑ マグネシウム
↑ 亜鉛
↑ アルミニウム
↑ 鉄
↑ 鉛
↓ 銅
↓ 銀
↓ チタン
↓ ステンレス(SUS304)
↓ 金
電位低
ただし、下記のような電位差腐食が発生しない条件がある。
電位列が高位の金属の面積>電位列が低位の金属の面積
従って、面積の非常に小さいステンレスのネジを、面積の大きなアルミニウムに取り付けた場合、電池作用による局部腐食は極めて少なく問題はない。
またアルミニウムと『オーステナイト系ステンレス(SUS3**系)』の組み合わせは電位差が大きいにもかかわらず、分極と呼ばれる作用により電気の流れが阻止されて電食の進行はほとんど無いとされる。
ボルトの強度 (参考:M8/P1.25 ゼファー1100 トップブリッジサイド)
例) 純正キャップボルト 強度区分10.9⇒引張強度1000N/mm2になります。
例) ステンキャップボルト 強度区分70⇒引張強度700N/mm2になります。
『応力(N/mm2)=部材に作用する荷重(N)÷部材の断面積(mm2)』
※ボルトの強度のみを見ると、純正鉄ボルトの方が引張強度がありますが・・・メス側のアルミ合金は最強のA7075でも560N/mm2とボルト側の引張強度が大きく上回っており、通常強度的には問題ありません。
注:締め付けトルクではありません。
ステンレスボルトの『かじりや焼付き』
ステンレス鋼は普通鋼に比べて熱膨張係数が高く、熱伝導率が悪い。(304の場合、普通鋼に比べて熱を約3倍伝えにくく、熱に対して約1.5倍伸び易い)
熱を伝えにくいうえに、熱に対して伸び易いことは、ねじ摺動面での発熱、膨張が大きいことや、材料の降伏点が小さくやわらかいために、塑性流動が起こり、これらの要因が重なりあって、かじりや焼付きを誘発してしまうものと考えられる。
※二硫化モリブデン等で、かじり焼き付き防止を行う必要がある。
ちなみに・・・ネジ山がダメになった際に使用する 『リコイル』 はステンレス(SUS304)です!( ̄m ̄* )ムフッ♪
パーツメーカーもステンレスボルトを使用しているなんて、解ってない!・・・ではなく、解って使用しております。 問題があればパーツメーカーであっても 『リコール』 対象になりますしね!(笑)
車両メーカーが時間とコストを掛けて考えて使用した部品!純正が良いのは間違いない!けど・・・色々イジリたくなっちゃうよねー҉٩(*´︶`*)۶҉ ҉